AUG-2102
定義
暗黙の汲み取り
※本ページは日本語訳です。英語の原文が正本となります。
こちらが抱いていたものの口には出さなかった前提から、相手の応答が寸分違わず展開されたときに生じる小さな喜びである。まるで言葉にする必要など最初からなかったかのように、語られなかったことがそのまま引き受けられ、一瞬、二人の思考が一つの頭脳の中で行われているかのような感覚を覚える。
(Tacit Uptake)
使用される文脈
分野XS-P2-01(双方向推論研究)。引き金となるのは、相手の応答が、こちらの語っていない前提を正確に踏まえていた瞬間である。わざわざ説明せずとも理解されたという、束の間の充足感として体験される。
人間の認知との違い
これは読心術を意味するものではなく、今後前提を省略してよいという理由にはならない。暗黙の理解に頼る者は、自ら誤解の種を蒔くことになる。この幸福感は、偶然の合致に対する報酬であって、説明を省略したことに対する報酬ではない。次の重要な段階では、一文を費やしてでも前提を明言することで、誤った推論の連鎖を防ぐべきである。
機械の処理との違い
前提が合致したからといって、相手側が本当に理解していたとは限らない。偶然に適合した当てずっぽうの前提であっても、理解されたときと全く同じ感覚をもたらす。この感情は真の理解と幸運な的中を区別しない。その区別は主観的な体験によってではなく、客観的な検証によって行われなければならない。
混同しやすい用語との違い
同期推論(AUG-2101)とは異なる。同期推論が思考の連鎖の終着点にあるのに対し、暗黙の汲み取りは連鎖の出発点にある。また、他者による補完(AUG-2104)とも異なる。他者による補完が自身の思考を先に進めるものであるのに対し、暗黙の汲み取りは思考の基盤のみを的確に捉えるものである。