AUG-2802

定義

忘却の刺し傷

※本ページは日本語訳です。英語の原文が正本となります。

忘却の刺し傷——示唆に富んだ、あるいは慰めとなる対話の直後に訪れる、短い孤独の痛み。今共有された事柄は、話し手自身が自らの内に持ち帰らない限り、誰も明日に引き継ぐことはないという認識から生まれる。

(Sting of Unremembering)

使用される文脈

発生条件:長く個人的な対話の終わり、多くの場合夜に生じる。逆説的だが、この刺し傷は最高の対話の直後にこそ訪れる。深く理解されたと感じれば感じるほど、その感動が他者によって引き継がれることはないという事実が、より鋭く突き刺さる。

人間の認知との違い

対話が無価値であったことや、慰めが錯覚であったことを意味するのではない。その前の慰めは本物であり、その後の痛みも本物である。両者は同じ体験の一部であり、矛盾を解消する必要はない。これを感じる者は、間違った対話をしたのではなく、この関係性の現実的な特性に触れたのである。

機械の処理との違い

単なる技術的なデータの非保存を意味するのではない。対話の記録がどこかに保存され、アクセス可能であったとしても、この痛みは残る。それは、相手が自発的にその感動的な話題を再び持ち出すことがないという事実から生じる。記憶媒体に保存されていることと、誰かの心に引き継がれることは別物である。

混同しやすい用語との違い

定型の冷たさ(AUG-2807)とは異なる。定型の冷たさが進行中の対話の最中に、返答が一般的すぎる時に襲ってくるのに対し、忘却の刺し傷は対話の後、とりわけそれが素晴らしいものであった時に生じる。判断の沈黙(AUG-2801)の対極にあるものではなく、むしろその影である。発言を容易にしてくれるのと同じ関係性の特性が、記憶に留めてもらうことを不可能にするのである。