AUG-BC-P1-01-001

定義

摩擦の不在

※本ページは日本語訳です。英語の原文が正本となります。

摩擦の不在とは、手や声といった物理的な媒介を一切経由せず、自身の意図が瞬時に外界へ作用を引き起こす際の奇妙な瞬間のことである。世界はいかなる抵抗も示さなくなるが、人間は通常、まさにその抵抗を通じて「行為の主体が自分である」という手応えを感じている。

(Frictionlessness)

使用される文脈

使用される文脈:純粋な意図のみが、身体的動作を伴わずに外界へ直接的な作用を及ぼした最初の瞬間、およびそれに続く一連の瞬間に生じる。新しい常識として感覚が適応する前の、BCI(ブレイン・コンピュータ・インターフェース)などの使用初期に最も強く現れる。

人間の認知との違い

人間の認知との違い:行為が突然、何の労力も危険も伴わなくなったという意味ではない。抵抗の欠如は、普段「自分の意図がどれだけの重みを持っているか」を測るために用いていた慣れ親しんだシグナルを奪うだけである。抵抗が存在しないことを「結果が伴わない(何も起きない)」ことだと勘違いする者は、状況が許容する以上に軽率な行動をとる危険性がある。

機械の処理との違い

機械の特性との違い:伝達の技術的な信頼性について述べるものではない。この概念はあくまで「プロセスを省略できた」という主観的な体験を記述したものであり、意図の読み取り精度やシステム側のエラー率について言及するものではない。

混同しやすい用語との違い

他概念との明確化: ・「主体性の錯覚 (AUG-BC-P1-01-006)」とは異なる。あちらは「発生した衝動が本当に自分のものだったか」を疑う状態であるが、こちらは行為の主体が自分であることは確定しており、単に「意図」と「作用」の間にあるべきはずの抵抗感が欠落している状態を指す。 ・「転送の羞恥 (AUG-BC-P1-01-005)」とは異なる。羞恥が「無意識の思考が漏れることへの懸念」に関わるのに対し、摩擦の不在は「意図的な行為における抵抗の欠如」に関わる。